通信品質
移動しながら利用する端末の多い工場や倉庫。タブレットやスキャナ、ハンディターミナルなど、デバイ スの種類や数も多く、無線通信の品質確保には一層の注意が必要です。
ユーザが敷地内を頻繁に移動したり、 1 台のアクセスポイント(AP)に接 続する端末数が増加したりすると、 通信の切断やパフォーマンスの低下 につながることがあります。
工場や倉庫内では、電波干渉や障害の 原因となる機材が多く、大型の設備や 棚等によってアクセスポイント(AP)の設置場所にも制約が多いため、無線 環境の設計が困難になりがちです。
Aruba の特許技術「ClientMatch」は、 複数のアクセスポイント(AP)間で 接続する端末を自動的に調整し負荷 を分散します。また、ユーザの移動 に合わせて接続先を自動的に切りか え、通信品質を維持します。
ClientMatch には、複数のアクセスポ イント(AP)間で電波の調節・チャネ ル変更・出力調整等を自動的に最適化 する ARM 機能が統合されています。 敷地内でのアクセスポイント(AP)配 置に自由度が高まり、面倒な設計作業 が大幅に緩和されます。
IoT セキュリティ
DX とセットで語られることの多い「2025 年の崖」。折しもこの 2025 年には IoT の経済効果が 1 兆円を 超える※といわれており、IoT の活用が DX 成功のカギといえますが、セキュリティ面の未整備が目立っ ています。
※McKinsey Global Institute, Unlocking The Potential Of The Internet of Things, June 2015
単純な構造の IoT 機器では、セキュ リティ機能のない製品が多く存在し ます。また、認証機能があっても、 利用者の意識の低さから工場出荷時 のままだったり、ごく簡単なパスワー ドで運用されていたりします。
工場や倉庫に設置された機器には、多 くの管理されていないデバイスが含ま れています。こうした素性が不明な端 末がネットワークに繋がってくると、 適切なアクセス制御は非常に困難にな ります。
Aruba の ClearPass は、強力なプロファイリング機能によってネットワーク内の接続機器 を識別し、ポリシーベースの安全なアクセス制御を実行します。また、サードパーティの OT ソリューションとの連携により、IT・OT・有線・無線を問わず、あらゆるデバイスの 見える化を実現します。
多拠点接続と管理
DX の実現には、これまで分離されていた OT/IT ネットワークの接続や統合管理をはじめ、現場機器のメ ンテナンスにも新たな労働環境に即した手法が求められるようになります。
OT/IT ネットワークを接続し、すべ ての拠点に統一されたセキュリティ ポリシーを適応するには、複雑な設 定や作業が必要になります。また、 単純に接続するだけではなく、多拠 点ネットワークのメリットを十分に 生かすための施策も考慮しなければ なりません。
コロナ禍で急速に普及したテレワーク ですが、機械設備の設定変更や緊急の トラブルシュートを担当する機器エキ スパートは、現場で作業を行わざるを 得ないため、出社を余儀なくされてい ます。
SD-WAN は、高い安全性に加え、デー タセンターとクラウドのハイブリッ ドな活用など、多拠点ネットワーク の構築と運用に最適なソリューショ ンです。
Aruba のリモートアクセスポイント (AP)(RAP)なら、社内ネットワーク と同じアクセス環境を在宅勤務者へ低 コストで即時に提供できます。製造設 備の支援や製造工程管理なども、遠隔 から行えるようになります。
特殊環境
一般的なオフィスと比べ、製造・物流管理の現場は多種多様です。業務を円滑に進めるためには、たとえ 過酷な条件下であっても問題なく動作する通信環境が必要になります。
工場や倉庫には、気温の変動や風雨にさらされる屋外のほか、高温状態となる生産ライン、 極低温の冷凍庫など、AP のような精密機器にとってはトラブルの要因となる環境も多く見られます。
Aruba のアクセスポイント(AP)は、 IoT のゲートウェイとしても最適で す。一般的な Wi-Fi に加え、IoT 機 器で主流の Bluetooth や Zigbee に も標準対応しています。さらに、 USB コネクタも装備しているので、 さまざまな通信方式のドングルを接 続することで、多様な機器との通信 が可能になります。
Aruba Beacon/Aruba Tag は、アク セスポイント(AP)と連携して施設 内にある各種資産の所在を追跡する アセットトラッキングソリューショ ンです。台車やターレットなど敷地 内を常時移動する運搬機器の現在地 を把握できるほか、高価な機材の盗 難防止などにも役立てることができ ます。
第三者ソリューションと連携し、製 造工程などの改善に向けて様々なロ ケーションをベースとしたサービス が展開可能です。例えば、工場や倉庫内での人の流れをヒートマップとして記録し、機材の配置を最適化し たり、作業フローの改善に効果を発揮します。
また、新型コロナウイルス対策として、感染者接触追跡ソリューションなどもご提供しております。
ここでご紹介したネットワーク関連サービスに加え、HPE では製造・物流管理の様々な フェーズで役立つ先進的なソリューションを多数ご用意しています。
HPE Edgeline Converged Edge System は、IoT の発達によって 発生するエッジからの膨大なデータを AI(ディープラーニング、 機械学習)等の技術を利用して有益なビジネス情報を発見、加工 するエッジコンピューティング専用の高性能コンピュートです。
HPE MyRoom Visual Remote Guidance は、拡張現実を活用し、モバイルやスマートグラ スから、音声・映像・ファイル共有やセッション録画等のリアルタイムコラボレーション を提供します。専門家が遠隔地から現地に問題解決の支援を可能にする Software-as-a-Service です。
工場・倉庫などでは様々な IoT 端末が接続されてきています。このような環境ではセキュリティをいかに簡単に確実に確保するかが大きな課題となっています。端末種別を自動識別できるサードパーティー製品とポリシーサーバ (Aruba ClearPass) の連携により、端末種別ごとのアクセス制御、インシデント発生時の自動切り離しなどが、運用コストをかけ ずに実現できます。